第17話: スベリヒユにドーパミン

スベリヒユ Dopamine の化学構造
                スベリヒユ                         ドーパミン(Dopamine) の化学構造
 

(2010 Oct. 03 (2010 Oct. 11更新) )
 東京近郷に限らず全国的に畑の雑草扱いされているスベリヒユですが、山形県では野菜扱いで食べられています。 テレビでも紹介されてインターネット上ですっかり有名になっています。 スベリヒユはスベリヒユ科スベリヒユ属の植物で、園芸植物としてはマツバボタンもこの仲間です。 ただし、マツバボタンは食べないように。

スベリヒユには何とドーパミンが含まれています。 前回紹介したオカヒジキのベタインに続いて、ドーパミンを含んでいるスベリヒユに注目した山形県民はすごい! 実は、これに勝るとも劣らない食品が秋田にもあるんです。 準備が整い次第、近々紹介します。
 

スベリヒユlのNMRスペクトル(2005 Aug. 測定)

 図. 17. スベリヒユのNMRスペクトル(2005 Aug. 測定)。 ドーパミン由来のピークを赤色で示してある。

 ドーパミンは食べても血液中に取り込まれることはないと思われます

 ドーパミンは脳内の神経細胞で働いている化合物で、パーキンソン病はこれが不足しているとされています。 それでは、ドーパミンを薬として飲めば解決するかと思われますが、そうではありません。
 血液中にドーパミンがあっても、脳内の神経細胞へは入れないような仕組みになっています。 入れるとなると、脳内で神経細胞の働きが混乱してしまうから、それを避ける仕組みになっています。

 ドーパミンは脳内の神経細胞以外にも、交感神経が放出したり、副腎髄質ホルモンの一つとして働いています。 そんなこともあって、ドーパミンは薬として市販されています。 しかし、経口投与しても無効で、使う場合には注射でなければならないようです。 しかし、注射しても急速に代謝分解されてしまうとあります。 

 薬としてのーパミンが経口投与では無効なことからも、スベリヒユを食べても、消化管内のどこかで分解されるかして、血液中には取り込まれないと推測できます。

 そうだとしても、ドーパミンを含むスベリヒユが食べられているのには何か解明されていないことがありそうだと興味をそそられます。

 註: 残念なことに、乾燥させたスベリヒユは調べてありません。 

リンク: スベリヒユ料理を話題にしておられるサイトがあります。

自然工房さんのブログ。 ひょう(スベリヒユ)料理、2008/7/21(月)
おらほの自慢【ひょう干し】 山形県総務課広報室

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